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このコーナーではジェイルーツの活動を通して見た子どもたちとのひとコマを紹介しながら、ジェイルーツメソッドの一部を掲載しています。

第13回 子どもってすごい。 「ちびっ子チーム参上!」

服部コーチが取り組んでいる、JFL(日本フットボールリーグ)で活動しているFC刈谷でのひとコマです。

JFLの公式戦では選手入場が、音楽にあわせて、フェアプレー旗、審判団と続いて行われます。
その時に「エスコートキッズ」といって、選手と一緒に手をつないでピッチに入場していくイベントがあります。今回は、そのエスコートしてくれた幼稚園・保育園児のお話です。

試合前、選手は分刻みの時間の中で、入場にあわせてロッカーから出てきます。
子どもたちはそれを待つように、ダックアウトで集合して待っていました。その場所には保護者の方は入れないために、係りの人間と待っています。ちょっと緊張感の漂う場所に、子どもたちも少しテレながら、ワクワクしながら、笑顔いっぱいで待っています。

選手がやってきました。

試合前の選手たちは勝負のかかった試合に向けて、険しい表情で現れました。

子どもたちも、一瞬で顔色が変わります。緊張というよりも、「怖さ」もあるのでしょうか、強張った表情をしています。

それぞれの手をつなぐ選手に分かれていく時も、もう視点が定まらない、いっぱいいっぱいの子もいます。

それぞれの選手が、目線を下げながら自分の手をつなぐ子どもに、

「よろしく!名前はなんていうの?」

それぞれしっかり答えています。少し緊張が取れたのでしょうか、笑みも出だします。

「さぁ、行きましょう」音楽の開始とともに、主審の掛け声で入場し始めます。

驚いたのは、入場し始めたこの瞬間、
ダックアウトから、スタンド席から見下ろされる表舞台に出て行くときです。

“意気揚々とした自信ありげな表情”に変わっています。

選手と手をつなぎながら、まるで自分たちが戦う舞台に登場していくような表情をして歩んでいきました。

 

お母さんやお父さんに甘えることが許されるような年代の子どもが、サッカーの公式戦の特別な緊張感の中で、本当に落ち着き払った大人のような顔を見せるのです。
普段と違った、「本物の空間・環境」に連れ出し、経験することによって、見たことのない新しい成長の兆しを見せるものだと感心しました。

選手たちとの集合写真におさまり、ダックアウトに戻ってきた子どもたちは

「僕、自分でお母さんの所までいけるよ!」

来る時まで手をつないでお母さんに送ってきてもらたはずの子どものその発言に、驚かせられた場面でした。

by Jroots

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